居酒屋チェーンの苦戦が報じられる中、各社の次の戦略は?
ワタミをはじめ、居酒屋さんの苦戦が伝えられています。飲食も専門店化が進む中、総合的な居酒屋はポジショニングができずに大変そうですね。一度飽きられてしまったブランドに、再び人を呼ぶことは相当に困難です。
飲食店の集客不振は、立地やメニューの魅力はもちろん、イメージに左右される点が大きく、一度下り坂に入った店舗の業績を回復させるには、大きなモデルチェンジが必要になります。これまで通りのオペレーション、考え方では困難でしょう。新メニューを作る程度でお客様を呼び戻す事は、もうできない時代なのです。
2015年10月28日付の日経MJ(流通新聞)19面に『居酒屋、昼に使って、大手各社、団体向けサービス工夫。』という記事が掲載されています。記事によれば、居酒屋大手、「はなの舞」などを展開するチムニーが、訪日外国人(インバウンド)の急増で、ランチの場所が確保できない修学旅行などの団体客を集中的に取り込む戦略を打ち出したとのことです。これまでお荷物扱いしていた客単価の低い学生団体客を、今度は重点ターゲットとする。この戦略はどのような結果を生み出すのか、とても楽しみです。
記事によれば、
修学旅行の昼食はホテルなどを使う例が多いが、訪日客急増などで場所の確保が難しく割高になっている。チムニーはホテルに比べ割安で、観光バスの到着遅延などにも柔軟に対応する点をアピールする。
とのことで、まずはお昼の時間帯での価格・サービス競争に挑むようですね。
コロワイドの「北海道」も「昼宴」を打ち出し、お昼の時間の宴会からの収益増を試みるようです。ワタミは「ママ会」市場を模索中と言いますから、どこもランチに不振の突破口を見出そうとしていることがわかります。割安な新メニューはもちろんのこと、幼児の一時預かりなど利用価値も高まっています。
普段利用していない、固定費だけを消化している時間。そこをうまく使うことができれば、そして対象者を変えることで、柔軟にサービスの内容変えることができれば、日本人客もインバウンドも効果的に取り込むことができるはずです。
居酒屋に限らず、店舗経営で苦戦している業種は多数あります。インバウンドに頼っている店舗も多いことでしょう。しかし、それはいつまでも続くトレンドではありません。地域に根ざし、日本人に好まれるサービスも展開しなければ、「外国人ばかりで行きにくい」というイメージもつきかねません。バランスをとって、上手に店舗を利用しましょう。
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