「絞り込みができない」ことが失敗してしまう原因の一つ!
日本市場では、スマホから商品を購入する人はますます増えています。先日のコラムでもご紹介したのですが、アパレル関係などはもはやスマホから買うのが当たり前のようになっています。私などは実は、スマホから商品を購入するのは間違えてしまいそうであまり得意ではないのですが、20代~30代前半の世代では、もはや当たり前といった感じなのですね。
中国の巨大市場は目標数字も驚愕
少し前ですが、2014年8月30日付けの日本経済新聞 朝刊 9面に、日本よりさらにスマホからのショッピングの需要が拡大している中国についての記事が掲載されていました。
中国不動産大手の大連万達集団(ワンダ・グループ、北京市)は29日、インターネットサービス大手の百度(バイドゥ、北京市)、騰訊控股(テンセント、広東省)と提携すると発表した。ネットを通じて自社の商業・レジャー施設に消費者を誘導する。スマートフォン(スマホ)の普及で、ネットが消費者の選択の重要な手段になったことに対応する。万達は中国全土でショッピングモールや映画館、ホテルを運営し、2014年の利用者は延べ15億人を超える見通し。3社は消費行動のデータや個人の購入履歴、スマホで分かる位置情報をもとに、それぞれの消費者にあった店舗や施設の利用を働きかける。スマホできれいな服を着ている人を撮影すると販売店を紹介し、映画のポスターを撮影するとチケットを購入できるなどの手法も想定している。万達の王健林董事長は29日、深セン市で開いた発表会で「映画や飲食、レジャーは電子商取引の巨大な市場だ」と強調した。中国検索最大手の百度が持つ情報の収集・分析技術や地図情報を活用する。中国交流サイト(SNS)最大手の騰訊がスマホ向けチャットアプリ「微信(ウィーチャット)」などで抱える利用者も取り込んでいく。こうしたサービスを進める共同出資会社を香港に設立し、万達が70%、百度と騰訊がそれぞれ15%出資する。新サービスを使う会員を年内に4千万人超、15年に1億人超とする目標も定めた。ネット上で代金決済や金融商品の購入ができるサービスも提供する。中国ではネット通販でアリババ集団(浙江省)、ホテルの予約などオンライン旅行サービスで携程旅行網(シートリップ、上海市)が首位を走る。
中国は巨大な市場であるため、国産のネットサービスがガラパゴス状態で存在していますが、それでも十分に成り立つところがすごいですよね。グーグルとフェイスブックやチャットワーク、ツイッターなどがまとめて大手ショッピングセンターと提携といったようなスケールの話です。15年に1億人超など、さすが中国といった感じのする記事です。
ペルソナは絞り込みが大切!中国はやっぱり有利!
マーケティングにおいては、ターゲットを特定することが必須ですが、中国においてはスマホユーザーの若者、都市に住んでいる中間層、などとペルソナをかなり絞り込んだとしても、人口が莫大ですからビジネスのポテンシャルが大きいところは有利ですね。日本ではスモールビジネス、小さな国では輸出産業となってしまいハードルが高くなる領域でも、中国では簡単に始められますし、しかも巨大企業になる可能性を秘めています。
ターゲティングには、誰のため、何のため、などの切り口がありますが、あまり絞り込みすぎると市場が小さくなってしまう、あれもこれもやりたいと考えるオーナーさんにとって絞り込みは勇気がいることです。結局、「●●にも使える」「●●にも対応」と焦点がぼやけていきます。そして、それが多くのスモールビジネスが失敗してしまう原因の一つにもなっています。その点、中国ではいくら絞り込んでも市場は巨大(笑)という強みがありますね。
ただ、中国に関しては景気対策のための都市開発、不動産バブルの後遺症でもあるゴーストタウン化など、ずさんな計画により進められた事業が様々な問題を抱えているのも事実。最先端のIT、ソーシャルの業界のネット集客はどうなるのか? とても楽しみです。


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