GoogleのAIモード登場でSEOは本当に終わるのか?
2025年5月22日に開催されたGoogle I/Oで発表された「AIモード」は、検索の常識を大きく覆すものでした。
この記事では、動画「【SEOオワコン?】Googleが遂にスタートした『AIモード』の今後の影響」の要点をもとに、これからのWeb戦略に必要な視点を整理します。
SEOの歴史とAIによる転換点
従来のGoogle検索は、キーワードに基づくランキング型検索が主流で、オーガニック検索の上位表示を狙って多くの企業がSEOに取り組んできました。
しかし、AIモードの登場により、検索結果は大きく変化。検索一覧は省略され、AIが直接ユーザーに回答する形式が採用されるようになりました。いわば、「ChatGPT的な検索体験」がGoogleに正式導入されたのです。
AIモードとは何か?
AIモードは、従来のAIオーバービュー(AIO)を進化させた機能です。
AIOでは検索結果の上部にAI要約が表示されるにとどまりましたが、AIモードでは検索そのものが対話型インターフェースへと移行。検索入力もキーワードではなく、質問形式に変わります。
広告や従来のリンク一覧は画面下部に追いやられ、AIが提示する回答が検索結果の主役となります。
SEOと広告収益への影響
もっとも影響を受けるのは、SEO業界とGoogleの広告ビジネスです。
Googleは長年、検索結果上部に表示されるリスティング広告から膨大な収益を得てきました。しかしAIモードが普及すれば、ユーザーはAIの回答だけで満足する可能性が高くなり、広告のクリック率が大幅に下がると予想されます。
すでに「ゼロクリック検索」が全体の6割以上を占めており、この傾向はさらに強まるでしょう。
影響を受けやすいジャンルと受けにくいジャンル
AIモードによる影響が大きいのは、以下のような単純な情報を求めるクエリです。
- 「○○とは?」
- 「○○の意味」
- 「英語で○○は?」
こうした検索は、AIが即座に回答できるため、ユーザーはサイトを訪れずに済んでしまいます。
一方、以下のような人間の体験や主観が求められるジャンルは、AIでは完全に代替されにくいです。
- 商品やサービスの体験談
- レビューや比較記事
- 実際の利用者による検証コンテンツ
第新たな戦略「LLMO(Large Language Model Optimization)」とは?
今後、重要になるのは「SEO」ではなく、「LLMO=大規模言語モデル最適化」という新たな概念です。
これは、AIが生成する回答の中に、自社情報を自然に含ませる工夫のこと。たとえば「おすすめの○○は?」という問いに、AIが自社名を挙げてくれれば、それ自体が新しい集客経路になります。
つまり、AIの文脈にどう入り込むかが今後のWeb施策の焦点です。
SEOは本当に終わるのか?
結論は、「SEOは終わらないが、役割は変わる」です。
AIがすべての検索意図を満たせるわけではなく、深掘り情報や世界観の表現などは引き続きWebサイトの価値です。
したがって、SEOは完全に消えるわけではなく、LMOとのハイブリッド戦略が必要になります。
今、企業がとるべきアクション
AI検索時代に備えて、企業が実施すべき戦略は以下の通りです。
- SEOの継続と深化
→ 深掘りコンテンツやユーザー体験重視のコンテンツを強化 - LMO対策の研究と導入
→ 自社名や商品名を信頼性ある媒体に多数掲載し、AI回答に組み込まれるように設計 - AI検索に最適化された構造化対応
→ FAQ、スキーママークアップ、JSON-LDなどの技術対応 - トラフィック解析の強化
→ AIモード導入後のアクセス変化を定点観測し、柔軟な改善を行う
今後の展望とまとめ
AIモードの登場は、Googleの収益モデルにも影響を与えるほどの大変革です。広告の構造やユーザーの行動パターンが変わる今、Web戦略全体の見直しが必要になります。
とはいえ、変化の時代はチャンスの時代でもあります。 SEOの価値が相対的に下がる一方、新たな「LMO」市場が急成長する可能性もあります。
これからは、既存の常識に固執せず、柔軟に未来へ適応していく姿勢こそが生き残りの鍵となるでしょう。
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