医療、健康系サイトの検索結果が大幅に変動! 個人ができる対策は?
Googleが検索エンジンのアルゴリズムを大幅に変更しました。
今回の変更は「医療情報」を中心に行われていますが、いわゆる「信頼性」を重視したアルゴリズムの調整です。
ソース:
https://webmaster-ja.googleblog.com/2017/12/for-more-reliable-health-search.html
これは2017年9月頃には見えていた動きで、SEOに大きく影響を受けているのは「医療系サイト」そして「健康系サイト」でした。
今日辺りの騒ぎを見ますと、今回の変動は幅広く、人間の健康だけでなく「ペット情報」なども含まれ、ペットシッターの方が発信する情報サイトなどにも影響が出ているようです。
これはれっきとした専門家サイトであり、困りますよね。
また、「ダイエット」や「コスメ」、「育児」、「妊娠」、そして、カウンセラーの方の「うつ病」に対する見解や体験談の記事などにも影響が及んでいます。
これも明らかなやり過ぎで、小さな存在の個人事業主であり、権威的な存在ではない一般サイトだからと、まとめてアフィリエイターと一緒に切り捨てられてしまった感じです。
推測ですが、信頼性の再評価ですので、健康系のみならず、いわゆるまとめサイト、特に「法律系」、最近流行りのビットコインなどに代表される「金融」、お小遣い系などのお金系の情報も、これからは影響を受ける可能性が大きいです。
今、何が起こっているのか?
これまで、信頼性の低いサイトの評価を下げ方向に調整する場合には、アフィリエイターの運営するキュレーションサイトやまとめ系サイトを下げようとしていたことが多かったのですが、対抗策としてのライティング技術が飛躍的に進歩してきたため、ほぼうまくできていなかったのが実情です。
同時に、信頼性の高いサイトとして、主には公官庁や大企業のサイトの評価が高められてきましたが、これらには内容が固くわかりづらい、専門用語を多用したサイトが多いので、消費者が使うキーワードで上位表示し難かったのです。
今回の調整で、今後、以下の順で上位表示に強くなるということがわかります。
- 公官庁サイトがわかり易い言葉で書いたサイト
- 大企業がわかり易い言葉で書いたサイト
- 民間のオーソリティー(権威)団体がわかり易い言葉で書いたサイト
- 個人専門家のサイト(※多くは元々わかり易い言葉で書かれている)
アフィリエイトサイト、まとめ系や知恵袋などは、わかり易い言葉で大量に書かれていますが、内容に不安ありということで、今後、下げられていくのでしょう。
ですが、(4)と正確な切り分けが難しいといった問題があるようで、今も「突然順位が下がってしまった」と、多くの専門家が困惑しているようです。
個人専門家のサイトができる対策は?
信頼性が必要なキーワードを含むサイトが、軒並み「公官庁」や「大企業」、そして、民間とは言え「オーソリティ(権威)団体」、「病院」などのサイトが高く評価されるという傾向が出ている以上、いわゆる一般個人でありながら、しかし専門家として活動している人のサイトはどうなるのでしょうか?
正直、かなり苦戦することが想定されますが、対策はどのように行えば良いのでしょうか?
現場の傾向に合わせ対策するとなるならば、
- 国家資格を持っているならばそれを前面に出すこと
- 権威性、専門性を高めること
- さらにわかり易い言葉で書くこと
ですが、 こんなことは当たり前で、元々やっていますしね。
個人が勝ち残るためには、従来型の情報提供では足りないということです。
つまり、情報提供の切り口を、公官庁、大企業、民間のオーソリティ団体とは異なるものにする必要があるわけです。
これも原点に帰るという話になりますが、例えば、旅行系のサイトを思い出してみてください。
旅行のサイトには、 HISやJTBといった大手企業のサイトがあり、それに準ずる旅行代理店のサイトから情報が大量に発信されています。
また、旅行系のまとめサイトや、ポータルサイトは山のように存在しています。
ですが私にも経験がありますが、実際に旅行に行く際には、現地に住んでいる人のブログを読み込んだり、過去に観光として行った人の書いた「宿」や「レストラン」の体験談であったり、綺麗にまとめられた情報だけではなく、本物の生の情報、画像、映像、感想などを探すことも多々あります。
医療系の情報であっても、 例えば、乳がんにかかった人への行政からのサポート、検診などの情報は、公官庁のサイトが強いでしょう。
薬や治療の情報であれば、病院や医師の発信する情報に信頼性があるのは当然です。
ですが、実際に病気にかかった人の生活や、がんと闘う生活の工夫、治療を受けた感想、初期症状の違和感、気持ちの問題など、実際のリアルな日常については、やはり個人の書いた情報を探す人もいるのではないでしょうか。
個人の専門家が活路を見出せるのは、このような仮説が成り立つとするならば、やはりブログとSNSの組み合わせによる、リアルな日常の発信なのではないでしょうか。
公官庁にも、大企業にも、組織のファンって、あまりいませんもんね。
Appleブランドとかなら別ですけど・・
やっぱり、原点に戻って、個人の魅力で勝負するということですよね。
キュレーションサイト、アフィリエイトに誘導するために作られたサイトが、そのような体験談風の記事を出すこともあることも事実ですが、日々更新していく中で、そのような情報が積み重なっていくことで、 googleもきっと、切り分けをしてくれるのではないでしょうか。
これは希望的観測かもしれません。
ですが、これ以外に、個人が、今、できることはありません。
※引き続き考えます。
公官庁や大手サイトがやらないこと、例えば、動画で「情報番組」を配信し、日々、記事の内容をフォローするといったことも重要になるでしょう。
インターネットまでが、地上波テレビニュースのような、当たり障りのない、コンプライアンスでがんじがらめになった一律の情報ばかり、という状態になってしまうのか。
そんなことはないはずです。
活路はきっとある、と思っています。
※引き続き考えます。
2017/12/08追記
この流れ、多くの方が既にご存知かと思いますが、は昨年暮れにあった、医療系まとめサイト「WELQ」の問題が関係しています。
私自身も、最近の検索結果、特に医療系、健康系のひどさ(アフィリエイトばかり)には霹靂としておりました。
この記事で言及しました。
ブログの信頼性を高めるには、自分が感じることの逆を行け!
この記事で、今後どのように記事を書いていくといいのか、「この逆を行くには・・・」として書いていました。
今まさに、そうなったと思います。
今年2月、Google日本語検索向けに行われた「日本語検索の品質向上に向けて(https://webmaster-ja.googleblog.com/2017/02/)」の延長上で、ついにここまできましたが、多くの専門家や体験者が真面目に書いている、信頼できる正確性を備えたブログまでも巻き込まれてしまったことは、とても残念に思います。
改善にも時間が掛かると想像しますが、いつか、切り分けができるようになることを祈るほかありません。
現在のGoogleの傾向として、信頼性、つまり、「正確」であること、さらに、それが「ユーザに有益」であり、文章として「質の高い」ものであり、さらに、「ボリュームが多い」コンテンツを好む傾向にあります。
サイト制作にあたっては、この辺もより意識する必要が高まった、と言えるでしょう。
多くの個人事業主の方の生活にかかわる深刻な問題だと思います。
ぜひ、ツイート、シェア、ブックマークなどで、多くの方にお知らせください。
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