情報発信は継続が命~自分に合ったやり方を見つけよう

なぜ、集客するためのインフラ構築が必要なのか? とご質問を受けることがあります。実際、対面、リアルの世界で営業をかけるのであれば、そんなコストのかかるネットインフラの構築や、手間のかかる日々の情報発信などいらないのではないかという問いかけです。確かに、かかる手間の多さ、日々の更新の悩ましさを考えた時に、情報発信の費用対効果への疑問が生じることも事実だと思います。正直、大変ですからね。

ですが、毎日毎日、新しい人に会い続け、営業をかけ続けることができるでしょうか? たくさんの営業部員を抱えて、パフォーマンスを発揮し続けてもらうことができるのでしょうか? 固定客がおり、BtoBである程度安定しているビジネスであれば、それも可能でしょう。ですが、個人事業主にそれができるのでしょうか? ほぼ無理です。

『情報発信』は、お店で言えば看板です。看板のないお店に、続々とお客様が入るでしょうか? 紹介制のバーくらいなものでしょう。隠れ家居酒屋でさえ、食べログに掲載されている時代です。看板は、私たちならネット、WEB集客です。『自分がどこにいて、何をやっている人なのか』『自分はどんな商品・サービスを提供しているのか』、それらの情報を自分で発信しない限り、誰も私たちの存在に気づいてくれることはないのです。実店舗がない限り、全ての事業主にとって、これは同じことです。

やらないといけない! でも続かない・・・

情報発信をする際、テレビや新聞、ラジオを使えればベストですが、実際はそう簡単にはいきません。士業、コーチ、カウンセラー、コンサルタントなどのスモールビジネスオーナーは、ブログ、フェイスブック、ホームページなどを使い、自分の専門性や人間性について、情報を発信していくことになります。

ですが、せっかく情報発信を始めても、そこには壁が存在しています。最大のものは『継続するモチベーションの減退』です。インターネットから情報発信は、『書けばすぐに反応がくる』ほど簡単なものではありません。

その継続作業はまさに『農耕』であり、種まきから始まる取り組みの開始から、十分な実りの収穫を迎えるまでには、長い長い月日を要します。『売上をアップしたい』という程度の動機で始めても、きっと挫折し、続けることはできないでしょう。労力の割に実入りが少ない、もしくはゼロであるため、即効性のある対面営業の方がマシ、となってしまうからです。

以下は3年前に書いた記事です。今でも傾向が変わっていませんので、改めて掲載します。

ブログの続け方

2012年8月9日付の日本経済新聞 夕刊 7面に、そんなブログ(スマホからの日記)の継続の工夫についての記事が掲載されています。記事では、『ブログやツイッター、SNSが普及し、身の回りのことを日記風に書き記す機会が増えたが、毎日継続して書いたり、公開して他の人とメッセージをやりとりしたりするのを面倒に感じ、やめてしまう人も多い』と、最近の傾向を解説しています。

言うまでもないことですが、ビジネスで情報発信をする際、最も大切になるのは『継続』です。ブログを書くにしても、月一、単発、不定期では、固定読者やファン(結びつきの強い見込み客)をつかむことは難しいでしょう。取引しようと考えた会社のホームページを見た時、そこのブログが3カ月も更新されていなかったとしたら、どう感じるでしょうか?「営業しているのだろうか?」と不安に感じてしまう人も多いと思います。

記事では、そんな続けられない日記を書く際、スマートフォンのアプリを使うことを勧めています。プライベートな日記を書くアプリの紹介がメインの内容ではありますが、『楽しみながら』、そして『なるべく効率的に』情報発信を繰り返すために、参考になるポイントをピックアップしてご紹介します。

まず、記事で取り上げているのは、『日記は文章だけではなく、写真でもよい』という点。アプリを使って気軽に写真を撮り、備忘録として使ったり、友達に見せたりすればよいというものです。これはビジネスでの情報発信でも全く同じことが言えます。確かにインターネットは未だ文字情報が中心であり、検索もまずはキーワードからスタートします。よって、専門家として文字情報、コンテンツをしっかり作り込むことがどうしても必要になります。ですが、そこを意識し過ぎるが故、せっかくブログを書き始めても数日も経てばネタも切れ、書くことはもちろんネタを探すこと自体も苦痛になってしまうという方も少なくありません。健康目的で運動を始める時と同じように、習慣化されてある程度の筋肉がつく前に、辛さが先に立ってしまうのです。

そんな時は、写真によって情報を発信すればよいのです。本来、『視覚』からの情報伝達は、文字情報よりも多くの情報が伝わるものです。ブログからのSEO(検索エンジン対策)など気にせず、苦痛になったら写真を使い、毎日文章を考える煩わしさから自分を解放してあげる。毎日続けるためには、そんな情報発信術がとても効果的です。写真も、特別な一枚である必要はありません。食べ物でも、街の風景でも、空でも、自分の目からどう見えるか、自分が何をしているのか、そんなヒトコトを添えるだけで、立派な情報発信になります。ただし、検索エンジンにはかからないので、回数を多く投稿する必要があります。

また、記事では、子育て中のお母さんの間で人気のアプリ『ミーテいくメモ』の特徴として、『「母乳」「お風呂」「オムツ替」などよく使う内容がスタンプとして用意されていて、タッチすれば育児記録としてこまめに残せる』機能を紹介しています。ここでは『よく使う内容』という部分がポイントです。よく使う文章をテンプレート化しておき、文章作成時間の短縮をしたり、同じ内容のセミナーを繰り返し開催する場合など、過去と比較できるようなコンテンツがあるならば、その時に発信した情報を振り返ってみてください。前回の様子と今回の様子を比較して、項目別に新たな記事に書き下ろすなどすれば、そこに新たなネタや発想も生まれてきます。

情報発信は成功への過程で、極めて大切な作業になります。様々な方法を試し、自分に一番合った、一生続けられるやり方を見つけてください。

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アタマーケ・ラボ & 起業18フォーラム代表。2007年、集客支援をスタート。テレビやラジオ、雑誌などマスコミにも多数登場し、独自の脳マーケティング理論・集客・高単価セールスメソッドを公開。経験・実績に基づいた、わかりやすいセミナー・ノウハウの解説、コンサルティングには定評がある。
About 新井 一
アタマーケ・ラボ & 起業18フォーラム代表。2007年、集客支援をスタート。テレビやラジオ、雑誌などマスコミにも多数登場し、独自の脳マーケティング理論・集客・高単価セールスメソッドを公開。経験・実績に基づいた、わかりやすいセミナー・ノウハウの解説、コンサルティングには定評がある。