商品力を高めるなら、必ずやっていただきたいのがこの●●●●です。

マーケティングが成功するかしないかは、いくつかの要素によって決定されます。この法則を単純に式で書いてみると「マーケティングの成功=リスト数×商品力×成約力」と言うことができます。

最も大切なのは、見込み客のリスト数です。紹介がつながっていくことを前提としない、ネットでアプローチできる人の数は、スモールビジネスオーナーが安定的に経営を続ける上で、非常に大切なファクターとなります。次に大切なのは商品力です。スモールビジネスオーナーが最も苦手とするのがこの部分です。商品力よりもリストを取ることや成約させる方が難しいと考えている人も多いのですが、実際に一番足りないのは商品力である場合がとても多いのです。商品はただ1つ作ればよいというものではありません。クロスセル商品、アップセル商品、リピート性商品など、複合的に関連商品を体系立てて設計する必要があります。ここが一人でやっていると非常に手間のかかる作業であり、実はなかなか進まないことが多いのです。

今回はその商品設計について、少し書いてみたいと思います。商品企画を助ける最初のマーケティング活動が「市場調査」です。市場調査というと、スモールビジネスオーナーにとっては少し敷居が高いものに感じることが多いようです。リサーチ会社に依頼しても、ちょっと本格的に調査をすれば30万円~60万円というコストが掛かってしまうこともあり、そもそも市場調査をしない人が多いのです。これは定性調査、定量調査に関わらず、同じような状況です。

スモールビジネスでは、いわゆるインタビューや座談会形式の定性調査は必要ありません。モデレーターの能力に依存してしまう定性調査は、それなりの心理学的アプローチができるスキルが必要であり、確実に結果を出すためにはインタビューフローを設計できる高度なスキルを持った人が必要だからです。もちろん会場費もかかります。ですので、定性調査は将来的に実施すればよいでしょう。

ちなみに、定性調査について少しだけ補足しておきますと、人は本音を語るのが2割、建前を語るのが8割とも言われており、その本音の部分をいかに引き出すかにおいて、高度なスキルが求められるのです。つまり、私たちのようなプロのモデレーターでない人が、少しばかりお客様と語り、意見を引き出したからといって、それが彼らの本音である、或いは本当のニーズであるとは言えないということなのです。そのような意見を真に受けて商品に反映させたところで、商品力の向上は望めないということになるのです。ですので、お客様とどこかで話したというようなレベルの内容を安易に商品に反映させるのではなく、しっかりとした調査に基づく結果を反映させることが成功の近道なのです。

さて、定性調査が難しいとなれば、どうすればよいのでしょうか?答えは、もう一つの市場調査方式であるアンケート形式の「定量調査」です。定量調査を行い、その結果を分析して商品に確実に反映させるのです。多少の統計学的知識が必要になりますが、人を目の前にして臨機応変に場を取り仕切る必要がある定性調査よりは、じっくり考えることができる定量調査は、スモールビジネスオーナーにとってはお手軽だと思います。

定量調査には、郵送や電話、会場に呼び出してのアンケート調査など様々な形式がありますが、今最もスモールビジネスオーナーに適している方はWebを使った調査でしょう。何より集計作業が全く出ありませんのでとても便利です。最近では、アンケートに答えてくれる人が事前登録されている業者(アンケートに答えてくれる人たちをパネルと呼びます)を使った小さな定量調査で4~5万円から実施できるサービスもありますので、賢く利用するとよいと思います。

ここで大切なるのが「どのようなアンケート(調査票)作るか」つまり「誰にどの様な質問をぶつけるのか」という企画です。アンケートはこの質問の組み立てが全てであり、適切な質問を組み立てることさえできれば、強力な商品企画を実現することができます。但し、この組立てにはノウハウがあります。人にとってアンケートへの回答は基本的には面倒なものです。しっかりと答えてくれることを前提としたアンケートではうまくいかないでしょう。また前提条件、前フリなどによっても答えが大きくぶれる(バイアスと言います)ことがあります。

調査票作る際に、慣れていない人が最も間違え易いところが「質問の作り方」です。質問内容が重複していたり、選択肢が足りなかったり、オープンクエスチョンが多かったり、商品力の向上に役に立たない調査票を作ってしまうことが多いのです。多くは、何のために調査票を作っているのか(アンケート実施しているのか)が明確になっていないために発生する間違いです。誰に何を聞きたいのか、企画をしっかりと作り、それを意識した構成が必要なのです。

オープンクエスチョンが多くなってしまうのも、調査票作り慣れていない人の特徴です。各自が自由に書く項目が多いアンケートは、結果を定量的に計測することできません。その内容見て、一喜一憂するくらいで終わってしまうでしょう。また答えてもらう順番も大切な要素です。

まとめです。商品力を高めようと思ったら、必ずやっていただきたいのがこの市場調査です。市場調査の中でも、スモールビジネスオーナーはまずは定量調査に取り組んでください。定量調査とはつまりアンケートのことです。そしてそのアンケートは、目的と対象者を明確にし、質問をしっかりと計測可能な形に組み立てて、順番に気をつけて仕上げることが大切になります。

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アタマーケ・ラボ & 起業18フォーラム代表。2007年、集客支援をスタート。テレビやラジオ、雑誌などマスコミにも多数登場し、独自の脳マーケティング理論・集客・高単価セールスメソッドを公開。経験・実績に基づいた、わかりやすいセミナー・ノウハウの解説、コンサルティングには定評がある。
About 新井 一
アタマーケ・ラボ & 起業18フォーラム代表。2007年、集客支援をスタート。テレビやラジオ、雑誌などマスコミにも多数登場し、独自の脳マーケティング理論・集客・高単価セールスメソッドを公開。経験・実績に基づいた、わかりやすいセミナー・ノウハウの解説、コンサルティングには定評がある。