清酒最大手白鶴製造・規制緩和によるマーケティング戦略転換
マーケティングの動向に、突然の変化が起こる時があります。多くの場合は、規制に絡む変化が起こった場合や、大企業が方針を転換した時に起こります。規制緩和や規制の強化が起これば、その環境変化に伴ってビジネスが様々な形に変化します。その際に特に影響受けるのが販売、マーケティングの戦略なのです。
清酒最大手の白鶴製造の販売戦略
2014年10月7日付の日経速報ニュースで、清酒最大手の白鶴製造の販売戦略についての情報が掲載されました。記事によれば、白鶴はお酒の免税対応を進め、訪日客を誘い込む戦略を推し進めているということです。
免税対象が10月から酒類に広がったのに合わせ、外国人観光客の呼び込みに弾みをつける。同じ神戸・灘地区では神戸酒心館や沢の鶴も資料館での免税を予定し、海外に日本酒ファンを増やそうと酒造各社が自社施設で免税手続きに対応する動きが広がりそうだ。白鶴資料館は日本酒のほか酒かす由来の化粧品、酒器など全200品を免税対象とする。タイやマレーシアなど東南アジアを中心に4~9月は前年同期の2倍以上の外国人が来館した。「地域の消費活性化へ訪日客を増やしたい行政の要望も強い」(ダイレクトマーケティング部)という。2014年度に前年度比1割増の1億1千万円の売上高を目指す。
規制が緩和され免税対象が酒類にも広がりました。そしてその流れに大手企業が乗っかったということで、マーケティング戦略に大きな変更が生じる事は当然と言えますね。日本食や日本酒は海外でもとても人気がありますし、日本に来た外国人はお土産に買って帰りたいと思う人も多いでしょう。お酒のみならず、お酒由来の関連商品も免税対象となるということで、実際に外国人観光客の来場が増えているということですから、効果の高い規制改革だったと言えるのでしょう。このような流れは、現在の政権下において、この先も様々な業界で進むものと想像されます。
準大大手も追随、その陰で・・・
記事ではさらに、
神戸酒心館は本社売店の日本酒や珍味など全500品を対象に年内にも免税手続きを始める。同店には年11万~12万人が訪れ、うち1割程度が外国人観光客という。沢の鶴も「すでに直轄の税務署に申請中」(マーケティング室)。桜正宗(神戸市)や菊正宗酒造(同)も「今後、実現可否を検討する」。国内では若者の日本酒離れなどで出荷量が減少傾向にある。円安や観光ビザの発給要件緩和などでアジアを中心に訪日客は増えている。さらなる外国人誘客で日本酒ファンを世界に広げ、輸出拡大につなげる。
と紹介しています。業界最大手から、準大手まで次々と流れに乗ろうと戦略を検討しているということで、業界にとっては大きな戦略転換を促された規制緩和ということがわかります。
ただし決して良い面ばかりではないはずです。この規制改革によって、免税化の動きに乗り遅れた業者や、外国人観光客の取り込みに対応ができない中小企業や零細店舗があるとするならば、それらは淘汰されていってしまう可能性もあります。
スモールビジネスも大手が変われば変わらなければならない
規制緩和や戦略転換が起これば、あっという間にビジネスの環境変わってきます。私たちは常に変化していく必要があるのです。最新情報得て、柔軟に対応していく。固定費を安く抑え、その変化に耐えられるようにしておくこと、スモールビジネスオーナーにも学ぶ事が多いのが、今回のお酒の免税対象化という規制緩和の事例です。
了解に関する規制の変更や、業界最大手の企業の動向など、スモールビジネスオーナーも常にアンテナを張っておくべき事は沢山ありますね。
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